肥満の治療を行う肥満外来は、“ダイエットの最後の砦”とも言うべき医療機関です。
医師や管理栄養士、薬剤師などが患者一人ひとりに合わせたダイエットの方法を指導してくれるため、なかなかダイエットを続けられなかった人はもちろんのこと、リバウンドを繰り返して痩せることを諦めかけている人にも有効な選択肢になります。
この記事では、肥満外来がどんな人におすすめなのかをご紹介しましょう。
通常のダイエットで失敗している人
第一におすすめしたいのは、通常のダイエットで失敗を繰り返している人です。
近年では全世界の肥満人口は21億人とも言われ、ダイエットに関する情報のニーズが大幅に上がっています。そこにインターネットの普及も手伝い、玉石混合のダイエット方法が広まりましたが、すべてが正しいものではありません。
そもそもダイエットにおいては、自分の体質やライフスタイルに合っていることが重要になります。
一口に肥満といっても度合いには個人差がありますし、皮下脂肪なのか内臓脂肪なのか、その原因は運動不足なのか食生活の乱れなのか……と、考慮すべきことは山のようにあるからです。
肥満外来なら患者一人ひとりの体の状態をしっかりと検査し、緻密なカウンセリングに基づいて肥満の原因を特定。
そこから逆算してオーダーメイドのダイエットプランを考えてくれるので、結果にコミットすることが可能です。
BMI値が25以上の人
日本肥満学会の定める「BMI(ボディ・マス・インデックス)」という指標をご存知でしょうか。
これはその人の身長と体重から、肥満の度合いを数値に表したもの。日本ではBMI値が25以上になると、肥満として認定される仕組みです。
実際に肥満度が上がれば上がるほど、糖尿病や高血圧といった生活習慣病のリスクも高まっていきます。
肥満外来はあくまでも医療機関。肥満を病気とみなして対処してくれるので、BMI値が25以上でほかの病気との併発が不安な人は、肥満外来に通うのが安心です。
ちなみに、
- BMI値35以上の「高度肥満症」と認定された人
- BMI値30以上でほかの病気の危険性が高いとみなされた人
これらに当てはまる人は、保険の適用内で治療できます。
その理由は、高度肥満症になると動脈硬化による心筋症や脳梗塞など、命を脅かす病気のリスクが一気に高まるから。
保険の適用内の人は、料金だけでなく自分の健康を守る意味でも、肥満外来の通院を検討しましょう。
リバウンドを繰り返している人
私の通ったメディケアダイエットもそうでしたが、一部の肥満外来では、とにかく「無理なく続けられるダイエットの指導」を重視しているケースもあります。
無理なく続けられるということは言い換えると、リバウンドの可能性も大幅に下がるということ。そもそもリバウンドの主な原因は、無茶なダイエットによるストレスや、食事制限による体質の変化です。
自分の体質やライフスタイルに合わせてくれる肥満外来なら、ストレスフリーなのはもちろんのこと、食事の栄養バランスも最適にコントロールされるため、太りやすい体質にもなりません。
また、人間の体は体重が減って体が危険を感じたとき、本来の体型へと戻ろうとする働きを持っています。
リバウンドを繰り返せば繰り返すほどこの働きは強まるので、太りやすい体質へと変わってしまいます。
つまり、リバウンドを防ぐこと自体が、ダイエットを成功させる近道でもあるのです。
肥満を根本治療したい人
ピンポイントで脂肪を取り除く脂肪吸引や、短期集中でダイエットするパーソナルトレーニングなど、肥満を解消する手段は多岐にわたります。
ですが、その多くは一時的に症状を緩和するだけの「対症療法」に過ぎません。
施術やトレーニングをやめた途端、すぐにリバウンドしてしまいます。これでは「減量」はできても、肥満の「治療」と呼べるかは微妙なところです。
肥満の原因になっているのは日々の生活習慣です。
これを抜本的に改善できなければ、何度痩せても同じこと。本気で肥満を解消するなら、生活習慣そのものを無理のない形で変える肥満外来に通いましょう。