肥満外来とは?

“ダイエットの病院”とも呼ばれている肥満外来をご存知でしょうか。

肥満の治療を目的に、患者の減量をさまざまな角度からサポートしている医療機関ですが、具体的にどんなことをするのかはあまり知られていません。

Hanamori
私も肥満外来に通ってダイエットに成功した身ではあるものの、通い始めるまではどんな場所かよく理解していませんでした。

この記事では、肥満外来の治療内容や役割など、基礎知識を解説します。

 

肥満外来とは?

肥満外来とは、読んで字のごとく肥満を治療する医療機関のことです。

「肥満を病院で治すの?」と思うかもしれませんが、肥満はれっきとした病気です。

脂肪の過剰な蓄積は、糖尿病や高血圧といった生活習慣病のほか、腰痛や関節痛といった症状を併発することも少なくありません。そのため、肥満は内科をはじめとした一般の診療科でも扱われており、その治療を専門とするのが肥満外来ということです。

 

しかし、肥満の原因は多岐にわたり、一人の医師の手で完治させるのは難しい部分もあります。

そのため、肥満外来では、

  • 医師
  • 管理栄養士
  • 薬剤師
  • 心理士

といった各分野の専門家がチームになり、患者を多角的にサポートします。

 

Hanamori
私がお世話になった「メディケアダイエット」という肥満外来でも、プロフェッショナルなスタッフが揃い、患者一人ひとりの体質・体調に最適化したオーダーメイドのダイエットプログラムを提案していました。

 

肥満外来の治療の流れ

次に治療の流れですが、基本的には一般の病院と大きく変わりません。

  1. カウンセリングや検査を行い、体や生活習慣の問題点を明らかにする
  2. その結果に基づき、患者一人ひとりに合わせたダイエットプログラムを提案する
  3. 患者が指導を実践し、定期的に医師の指導を受けながらPDCAを回す

 

まずはカウンセリングと検査を行い、体調や生活習慣の問題点を明らかにします

検査の方法もしっかりとしており、血液検査や尿検査、心電図、CT、レントゲンなどを駆使し、体の状態を正確に把握。

こうして情報を事細かに収集したら、医学的・栄養学的にダイエットの方針を固めていきます。そこからは定期的な栄養指導や心理指導、運動指導などを受け、肥満の改善に努めます。

 

一般的な通院期間は3〜6ヶ月ほど。

期間中はスタッフがマンツーマンのパートナーとなり、ダイエットの指導と管理、アドバイス、ご相談に至るまで細やかにサポートしてくれます。

Hanamori
一人ではダイエットを続けられない人も、モチベーションを維持できるでしょう。

 

肥満外来の治療の方法

では、肝心の肥満外来の治療はどんな内容なのでしょうか。

肥満外来では各分野のプロフェッショナルが連携し、大きく分けて5つのアプローチを総合的に行います

 

食事療法

肥満の大きな原因は食事です。

体内に摂取したカロリーを消費しきれなかったり、エネルギーとなる糖質を肝臓や筋肉に蓄えきれなかったりすると、脂肪は増加します。ダイエットを目指すなら、一にも二にも食生活を改善しないといけません。

そこで肥満外来では、医師や管理栄養士といった専門家が、患者の食生活の問題点を診断。一人ひとりの体質や体調に合わせて、最適な食事を指導します。

 

私の通っていたメディケアダイエットの場合、単に痩せる食事を指導するだけでなく、好き嫌いや普段の食事のタイミングなども踏まえて無理なく実行できる方法を教えてくれました

Hanamori

これによりダイエットを自然な生活のなかに組み込むことに成功し、しっかりと継続できました。

 

運動療法

脂肪は摂取カロリーを消費カロリーが上回ることによって減っていきます。運動でカロリーを消費することは、ダイエットにおいて重要です。

また、筋肉をつけることで基礎代謝も高まります。基礎代謝とは生きているだけで消費するカロリーのことで、これにより1日あたりの消費カロリーを増やすことが可能です。

 

そこで運動療法では、医師や運動に精通したトレーナーが、

  • ウォーキングなどの有酸素運動
  • 自宅でできるエクササイズ

などを指導し、痩せやすい体質を作っていきます。

 

一方で、運動療法はメンタルの負担を受けやすい治療法でもあります。

トレーニングがハードだと途中で挫折してしまいますし、時間的な制約も大きいです。リバウンドに繋がらないように、運動療法に頼り切るのではなく食事療法と組み合わせることが大切です

 

薬物療法

薬物療法では薬剤師の指導のもと、脂肪の吸収を抑える薬や食欲抑制剤、代謝を高める漢方薬などを処方します。

とはいえ、いずれも飲むだけで痩せるようなものではありません。あくまでも役割は食事療法や運動療法のサポートです。

 

そのため、薬物療法はすべての患者が一律で受けるものではないです。

基本的にはBMI35以上の高度肥満症の人や、薬の必要性が認められる何らかの症状を抱えた人が処方されます。

 

代表的な薬は、食欲抑制剤のサノレックス。

満腹中枢を刺激して食欲を抑制し、食べすぎを防いでくれる薬です。その他、運動による脂肪の燃焼効率を向上させる働きを持っています。

 

行動療法

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「行動療法」と聞いてもいまいちピンとこない人は多いですよね。

こちらは読んで字のごとく、患者の行動を改善することで肥満を治療する方法です。

患者は日々の食事や間食、運動の習慣をノートに記録し、現在の生活習慣を医師と共有します。医師はそれに基づいて問題点を洗い出し、患者に合った生活を指導する流れです。

 

医師だけでなくカウンセラーが治療に介入することもあります。

メディケアダイエットでも心理士によるカウンセリングが行われ、ダイエットに対する悩みや不安を親身に聞いてくれました。さらには通院日以外もメールで相談に乗ってくれるなど、ストレスなく治療に取り組めるように配慮してくれました。

 

外科手術

また、肥満外来のなかには外科手術を扱っているところもあります。

主に「減量手術」と呼ばれており、胃を切除したり縛ったりして容量を制限し、食べすぎを防ぐ手術です。日本では、

  • 腹腔鏡下スリーブ状胃切除術
  • 腹腔鏡下調節性胃バンディング術
  • 腹腔鏡下ルーワイ胃バイパス術
  • 腹腔鏡下スリーブバイパス術

という4つの手法が行われています。

 

物理的に胃のサイズを小さくするだけあって、食欲抑制効果は高いです。

一方で、メスを入れる手術なのでリスクもあり、検討する場合は慎重を期さないといけません。

こうした治療方法はメインストリームではなく、個人的にも食事指導や運動指導によって自然に痩せる手法のほうが安全であると思います。