医師や管理栄養士らが提携し、ダイエットをサポートしてくれる肥満外来。
なかなか痩せられずに検討している人も増えていると思いますが、肥満外来は一般的な内科などと比べて、扱っている病院はあまり多くありません。
そのため、
- どんな流れで治療をするのか
- どれくらいの期間で痩せられるのか
- 料金の相場はいくらくらいなのか
など、疑問や不安を抱えている人もいるでしょう。
この記事では、肥満外来のよくある質問にQ&A形式でお答えします。
Q1.どんな流れで治療を行うの?
一般的な肥満外来の治療は、以下の3つのステップで行われます。
- カウンセリングや検査を行い、体や生活習慣の問題点を明らかにする
- その結果に基づき、患者一人ひとりに合わせたダイエットプログラムを提案する
- 患者が指導を実践し、定期的に医師の指導を受けながらPDCAを回す
なかには胃を縛ったり切除したりすることで容量を減らし、食欲を抑制する「減量手術」を行うクリニックもありますが、ここでは除外します。それぞれのステップについて解説しましょう。
カウンセリングや検査を行い、体や生活習慣の問題点を明らかにする
まずはカウンセリングを受けて、肥満の状態や現在の生活習慣などを共有します。
クリニックの治療方針などもこのときに説明されるでしょう。私の通っていたメディケアダイエットでは、
- 太る原因になっている生活習慣を改善し、肥満を根本治療する
- ただし、食べたいものを無理に我慢するようなダイエットは、リバウンドを引き起こすので行わない
- 生活習慣の問題点は一人ひとり異なり、治療の方法も性格によって続けやすさが変わるため、個人に最適化されたオーダーメイドのプランを組む
といったことを丁寧に説明してくれました。
その後、血液検査やCTによって体内の状態を検査し、肥満の原因を特定します。
患者一人ひとりに合わせたダイエットプログラムを提案する
カウンセリングと検査が終わったら、その結果に基づいて医師や栄養士、心理士がチームで話し合い、ダイエットの方針を決定。
適切なカロリーや必要な栄養素を算出して食生活の改善案を提案し、生活習慣の問題点も割り出していきます。場合によっては足りない栄養素をカバーするサプリメントや、食欲抑制剤の服用を提案されることも。
ちなみにメディケアダイエットでは、カウンセリングの段階で数回の通院を行い、私のライフスタイルや性格をじっくりと把握。それに寄り添う形で、無理のないダイエットプランを組んでくれました。
患者が指導を実践し、定期的に医師の指導を受けながらPDCAを回す
あとは患者が指導を実践します。
日々の食事をノートなどに記録し、定期的な通院によって医師にシェア。目標の達成度や、体重の変化を見ながら治療の内容を微調整し、PDCAを回していきます。
患者が実践すると聞くと孤独なダイエットをイメージするかもしれませんが、そんなことはありません。
通院のたびに医師や心理士が親身になって話を聞いてくれるのはもちろんのこと、メールやチャットアプリを用いてオンラインでコミュニケーションを取れるケースもあります。
Q2.どれくらいの期間通院するの?
急激なダイエットは体の毒です。徐々に痩せていく必要があるので、最低でも通院期間は2〜3ヶ月になります。
メディケアダイエットの場合、まずは3ヶ月のプログラムを実践し、無償で半年にも延長できるシステムでした。この辺りはクリニックによって異なると思います。
Q3.保険は適用される?
BMI35以上の高度肥満症と診断された人は保険の適用内になります。
その他、BMI30以上で肥満による重篤な病気の危険性が認められた人も保険の適用内ですが、このケースで適用するかは医師の裁量に任されている部分も多く、適用されない場合もあるとか。
Q4.ダイエット薬だけ処方してもらうことはできる?
肥満外来では基本的に、食事療法や運動療法によって肥満の治療にあたります。肥満を抜本的に改善するなら、太る原因となっている生活習慣を直すことが不可欠だからです。
薬はあくまでも、その手助けをするための存在に過ぎません。
そのため、薬だけを処方してもらうことは困難です。
薬に依存してダイエットをしてもリバウンドは避けられませんし、そもそもダイエット薬として代表的なサノレックスは、一定の期間以上は処方できない決まりになっています。
しっかりとしたクリニックなら、薬だけを処方してもらうのはまず不可能だと考えましょう。
Q5.料金の相場はいくらくらい?
肥満外来の料金の相場は、治療の方法や保険適用の有無によって変わります。
また、一口に肥満外来といっても個人医院から美容クリニックまであるため、料金体系もさまざまです。一概にいくらとは言い切れません。
肥満の度合いによっても料金は大きく変動します。
軽度の場合は10万円以下で治療できるケースもありますが、重度になるほど中長期的なダイエットプランを組まないといけません。その場合の予算は数十万円に上ることも少なくないでしょう。
残念ながら、なかにはいわゆる“ダイエットビジネス”と揶揄されるような、高額なだけでしっかりとケアしてくれないクリニックもあります。
クリニックを探すときは、医師や管理栄養士、薬剤師、カウンセラーといった各分野のプロを抱え、実績も豊富なところを選びましょう。
Q6.肥満外来にかかる目安は何キロから?
目安となるのは体重ではなくBMI値です。
BMI値とは、体重と身長の関係から算出される、肥満の度合いを測る指標のこと。日本人で肥満に定義されるのはBMI25以上になるため、ここをひとつの基準にしてください。
BMI値を算出する計算式は以下の通り。
ネットにある計算フォームなどを使えば簡単に算出できるので、確認してみてはいかがでしょうか。
Q7.感じの悪い医師もいるって聞いたんだけれど……。
ネットの口コミを見ていると、肥満外来に通って、
- 感じの悪い医師に当たった
- しっかりとフォローしてくれなかった
という意見もあります。やはりビジネス目的のクリニックだと、こういった傾向も見られるようです。
私自身、いくつかのクリニックを回ったとき、どこかぞんざいな態度でカウンセリングされたり、質問に答えてくれないな……と感じたりすることはありました。
Q8.肥満外来に通えば、ちゃんと痩せられる?
ネットの口コミを見ていると、肥満外来に通ってダイエットに失敗している人もゼロではありませんが、確実に少数派です。
肥満外来では医学や栄養学に基づいたダイエットの方法を教えてくれるので、指導をしっかりと実践すれば、基本的には痩せられると考えて良いでしょう。
私の場合、3ヶ月で10kg以上の減量に成功し、最終的には半年間の目標としていた20kg減にも5ヶ月でたどり着けました。
それだけでなく、治療を通じて健康的な食生活を保つスキルも身についたので、これまで何度も悩まされてきたリバウンドからも抜け出せたのです。
とはいえ、すべてのクリニックで同様の効果を得られるとは限りません。